土曜日。
僕がバンクーバーに来てから、2回目の土曜日になった。
1週間が経ったので、洗濯物が溜まっていた。
事前のホストファミリーのルールで、洗濯は週に1回と決まっていた。
服や下着は1週間分しか持ってきていなかったので、今日でなくなる計算だ。
僕は朝食を済ませると、マザーに洗濯のやり方を聞いた。
1階の奥の部屋に案内してくれる。
そこには、ドラム型の洗濯機と、隣に乾燥機があった。
一通り、洗濯のやり方の説明を受けた。
生活をしていると、日常生活の細かな英単語を知らないことに気づいた。
洗濯機、乾燥機、洗剤、柔軟剤、1週間に1回。
日本では当たり前に使う言葉が、英語では出てこない。
こうして生活しているだけで、英語の勉強になることを知った。
そしてこの頃から、わからないときに
「How to say in English?(これは英語で何て言うの?)」
と聞く習慣がついていた。
もちろん自分でも単語は調べるが、フレーズ系はファミリーに聞くのが一番だと思った。
午後、フィリピンコミュニティへ
洗濯を終えると、マザーが話しかけてきた。
「今日はフィリピンコミュニティの集いがあるの。よかったら一緒にどう?」
僕は、ぜひと答えて、一緒に行くことになった。
ファミリーの車に乗り、30分ほど走る。
Surrey(サレー)というエリアまで来た。
しばらくすると大きな建物に入り、駐車場で車を停めた。
建物の中に入ると、アジア系に見える人たちが談笑している。
100人くらいはいただろうか。
家族で来ている人が多く、小さな子どももたくさんいた。
最初、フィリピンコミュニティの意味がわからなかった僕は、マザーに質問した。
すると、バンクーバーに住んでいるフィリピン系カナディアンはたくさんいて、
時々こうして集まっているのだと教えてくれた。
そういえば、カナダジャーナルのあゆさんも言っていた。
ホストファミリーには、純カナディアンだけでなく、移民のカナディアンがなることも多い。
特にフィリピン系、ベトナム系は多いと。
僕のファミリーも、フィリピン系カナディアンだった。
大きな部屋の真ん中には、バイキング形式で食べ物が並べられていた。
ケーキ、飲み物、ライス系、パエリア系、ピザ。
日本のバイキングと変わらないようなラインナップだった。
100人の前で歌う
しばらく食事を楽しんでいると、1人の女性が話しかけてきた。
このフィリピンコミュニティの中で、日本人は僕一人だったから、珍しかったようだ。
マザーが、彼は日本人でうちに泊まっているのよ、と説明してくれた。
女性の子ども(小学生くらい)が、僕に歌を一緒に歌おうと言う。
こんな大勢の前で歌うのは恥ずかしいなと思っていたが、
マザーにも歌っちゃえ歌っちゃえと盛り上げられ、100人の前で歌うことになった。
歌のリストを見ると、One Directionの「What Makes You Beautiful」があった。
Taylor Swiftとともに彼らの曲も聴いていた僕は、
これなら歌えるなと思って、リクエストした。
しばらくして、曲がかかる。
僕が歌い始めると、みんな指笛や手拍子で盛り上げてくれた。
サビの部分になると、マイクを持っていないのにみんな歌い出したり、踊り出したりしている。
最終的に、僕のマイクがほぼ意味がないくらいに、みんなで歌って盛り上がっていた。
フィリピンの人たちの、みんなで盛り上がるところ、楽しむところが、僕は好きだなと思った。
帰りの車で
車での帰り道、マザーとファーザーに歌を褒められた。
他に何が歌える?と聞かれた僕は、Backstreet Boysと答えた。
今度また聞かせてくれと言われて、車の中で話が盛り上がりながら、帰路についた。
明日は日曜日。
この前は予定が合わず遊べなかっただいすけくん、けんたくんと、
ようやく食事をすることになっていた。
バンクーバーで初めて行くレストランを楽しみにしながら、僕は眠りについた。
